(朝日新聞、朝刊2面、4月16日(月)、2018H30年)
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(一部、抜粋)
- トップページ > 歎異抄とは > 誤解に満ちた歎異抄
- 善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。 (善人でさえ、浄土へ生まれることができるのだから、ましてや悪人は、なおさら往生できる) ※往生=浄土へ往くこと
これは『歎異抄』3章の一節である。日本の古典で、もっとも知られる一文だろう。
『歎異抄(たんにしょう)』は700年ほど前、親鸞聖人の高弟・唯円(ゆいえん)によって書かれたものといわれている。
聖人亡き後、親鸞聖人(しんらん・しょうにん)の仰せと異なることを言いふらす者の出現を嘆き、その誤りを正そうとしたものである。
鴨長明の『方丈記』、『歎異抄(たんにしょう)』、吉田兼好の『徒然草』の順で、ほぼ60年間隔で成立している。
これらは三大古文として有名だが、なかでも『歎異抄(たんにしょう)』の文体に引き込まれるような魅力があり、全文を暗唱する愛読者のあるのもうなずける。
今日、『歎異抄(たんにしょう)』ほど、読者の多い古典は異数ではなかろうか。その解説書は数知れず、今も新たなものが加え続けられている。ところが、この書が世に知られるようになってから100年もたってはいないのだ。- ※異数=異例、珍しいこと。
- (※印は、書籍の脚注から引用)
それは500年前、浄土真宗の中興、蓮如上人(れんにょ・しょうにん)が、親鸞聖人を誤解させるおそれがあると、「仏縁の浅い人には披見させてはならぬ」と封印されたからであろう。- ※中興=再び盛んにした人。
- ※蓮如上人(れんにょ・しょうにん)=親鸞聖人(しんらん・しょうにん)の8代目の子孫。
- 親鸞聖人(しんらん・しょうにん)の教えを全国に伝え、有名な「御文章(ごぶんしょう)」(御文、おふみ ともいう)を書かれた方。
- ※仏縁=阿弥陀仏(あみだぶつ)とのかかわり。 (略)
- なぜ、善人よりも悪人なのか
- なぜ、この世に、まことは一つもないと断言できるのか。
『歎異抄 (たんにしょう) 』には、親鸞聖人(しんんらん・しょうにん)の衝撃的な言葉が、数多く記されています。それは、世界の哲学者・文学者にも多大な影響を与えたものばかりです。
『歎異抄 (たんにしょう) 』の謎が解けた時、私たちの幸せ観、人間観、仏教観は、一変するでしょう。 (後略)
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