8/21/2014

熊谷次郎直実あらため、蓮生房



おお、あれに見えるは、源氏の一方の旗頭、熊谷次郎直実殿では、ござらんか。
熊谷駅前の暑いところで、何されておられる?

須磨の浜で己の息子小次郎と同い年か、敦盛が首をはねた後、
さすがの豪傑も、無常と罪悪にさいなまれたと聞くが。

「こんなオレの、未来は、後生(死後)はどうなるか」と驚いて、平家追討を義経らにまかせ、京へ京へと上ったと。

桜のひとひらが、はらりと杯に落ちて、栄華を極める「どう生きる」の人生から、
「そんなにしてまで、なぜ生きる」への道を歩む者あり。

親や子を亡くしても、一匹の蚊に刺されたほどにも思わぬものあり。

ゆく河の流れの川面に、浮かぶ泡はさまざまあれど、みな夢の如し、幻の如し。
滝つぼに向かう生と誰か思わん。

さて、京に上りし、熊谷氏は、いかに。


何のえにしか、熊谷次郎直実。
今をときめく、智慧第一とうたわれた法然さまの、膝によよと泣き崩れたと。
今では見かけぬ、法を説く僧侶。説くと思えば、骨拾いの歌ばかり。

勢至菩薩の生まれ変わりとも賞賛された法然さまの、心をこめた
説法を真剣に聞き開き、ついに熊谷は阿弥陀仏の本願に救われた。
出世の本懐(人生の目的)みごと果たし、蓮生房となりにけり。

「まさか、生きている今、こんな不思議な身になれるとは」
胸高らかに響かせて、破れた地獄を喜んで、

「まず三悪道を離れて人間に生まれたること大きなるよろこびなり」
先達の言葉をかみしめる。

その後、お友達の親鸞さまと手を取り合って、まことの道を歩まれたと
聞くが。
なぜに、今ごろ、そんなところにましますか。

歴史のスポットライトが、ちょっと角度を間違えると、肝心・要をそぎ落とす。

そなたは、あのとき、熊谷次郎直実から蓮生房と新生したので、なかったか。

一番、苦々しくあの像を見上げるは、そなたであろう。

あと半世紀か、百年か、心あるものが、そなたの像を、新生するだろう。




毎日、数年間にわたり配信されるメルマガの一つから




日付: 2014年8月21日 9:47
件名: No.1351【人身受け難しとSTAP細胞とエリート】


おはようございます。菊谷隆太です。


いつも読んでいただき、どうもありがとうございます。

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多くの方から小冊子「あなたを幸せにさせない五つの間違った常識」

の希望のメールをいただきました。

その際、いろいろとメルマガへの励ましのお言葉もいただき、

嬉しく思います。ありがとうございます。

モニターとして小冊子を読まれての感想を一件紹介いたします。

ーーーーーーーーー
5つの幸せは浅はかながら経験し、また空しさも抱いていました。
しかし、この空しさを認めてしまっては生きることに絶望となって
しまいます。その中で親鸞のたくましく、強烈な喜び・言い切った
御言葉はものすごい衝撃を受けました。 【クヨクヨする心を一掃
する誰でもできる方法】の前半は、なるほど…!と思いました。自
分のことでクヨクヨしている暇はないなと思いました。
ーーーーーーーー

二日前のメルマガで、希望の方はメッセージください、と

ご案内しましたが、どのアドレスから希望したらいいですか、

と昨日問い合わせを受けましたので、

不親切だったと反省しております。

こちら→kikutani@waseda.ne.jpまでお願いいたします。

あと50人近くで200名締切とさせていただきます。



【今日の仏語】は『人身受け難し』です。


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笹井教授の自殺が先日報道されました。

遺書には「もう心身とも疲れ、一線を越えてしまいました」

と心情がつづられてありました。



京都大学医学部を卒業、

カリフォルニア大学医学部客員研究員などを経て、

1998年に36歳の若さで京都大学の教授になった

「スーパーエリート」でした。



このたびのSTAP細胞の一件では

余人には想像できない苦しみが襲ったとは思うのですが、

それでも、です。

なぜ彼は自殺をしてしまったのか。



「命の重さ」を伝える人がいなかった

という一言につきる、と私なら答えます。



生命科学の権威であり、ノーベル賞候補。

「命」の研究の第一人者です。

それでも「命の尊さ」「生命の重さ」

を【本当の意味で】知ることができなかったのです。



30億の遺伝子がすべて解明された

脳のニューロンの仕組みが明るみになってきた

心理学は無意識の研究を進めている

といったところで、命の重さ、生きることの尊さは

いまだ皆目見当もつかず、

糸口すらつかめたという話も聞かない。



学問が発達し、研究結果もネットで世界を駆け巡り、

現代人はあらゆる分野に地球の歴史始まって以来、

未曽有の知識を手中にしていますが、

最も大事なことには、未だまったく無知である、

といってもいいのではないでしょうか。



『真の知識にあうことは難きが中になお難し』

まことの仏教の先生にはめったに会うことはできないものである)

と説かれた親鸞聖人の和讃の重みが知らされてまいります。



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近所の花屋さんで

8/14/2014

"You were born for a reason" English and Japanese

You were born for a reason  the real purpose of life
Translated and adapted by Juliet Winters Carpenter
“you were born for a reason is a solemn and profound book”
                                                                Edward Seidensticker


日本で10年以上前に出版され、今なを版を重ね、80万部以上のロングセラーとなっている「なぜ生きる」(1万年堂出版)という本があります。
これは、その英語訳のタイトルと、翻訳者の名前です。










I learn Buddhism in Japan.  
It is told that the life has the purpose of the life in Buddhism.
I participate in a lecture of Buddhism opened up in all parts of Japan.
I am not a lecturer, but, to the people who participated for the first time for the breaks of the lecture, talk about the Buddhism. 
私は、祖父の影響で、仏教を学んでいます。(元々宗教嫌いで、祖父とはよく対立していましたが)
普通の勤め人で、どこかでレクチャー講座などがあると出かけてゆきます。
そして、休憩時間などに、初めて来られた方と話をしてりしています。



Produced by Michizun







The introduction to Teaching, Practice, Faith, Enlightenment ,Shinran's most important work,being with these lines:
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   Amida's inconceivable Vow is a great ship that carries us across
  the sea that is difficult  to across, and his unimpeded light is the sun
  of wisdom that destroys the mind of darkness 

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これは、仏教の真髄を説かれた親鸞聖人(しんらん・しょうにん)という人の主著の冒頭の言葉です。
(教行信証という名前の書物で、鎌倉時代に書かれたものです)

「鎌倉時代というのは、一人の親鸞を生んだだけでも偉大だった」(司馬 遼太郎氏)

司馬 遼太郎(1923 – 1996) 
大阪府出身の作家(代表作、『坂の上の雲』『竜馬がゆく』など)




Produced by Michizun



「仏教専門書」でしかも「漢文」で書かれています。
先日参加した、講演会で講師の方に意味を教えて頂きました。
(とても、やさしい表現です)
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そんなにまでして「なぜ生きる」
なぜ生きる、親鸞聖人のお言葉

「阿弥陀さまは苦しみ多い世間の海を、
 明るく楽しく渡す
 大きな船を造られています。
 阿弥陀さまにはその大船に、
 私たちを必ず乗せて極楽浄土まで
 届けて下さるお力があります」
 (親鸞聖人)

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さて、最後に、鎌倉時代の原文です。
難しい言葉ですので、読み飛ばされても結構です。

Produced by Michizun
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【親鸞聖人のお言葉】

難思の弘誓(なんし・の・ぐぜい)は、難度(なんど)の海を度する大船、

無碍(むげ)の光明は、無明の闇を破する慧日なり

(教行信証 総序)

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では、また。

Produced by Michizun
Executive producer and creator
Hiroyuki Shimizu    

http://youtu.be/MKCwS_iiAJI (作品サンプル)

好きなブログから No.1344【無常と校門とガン】


私も、メルマガ、やってみようかな、と思ったことがあります。
ただ、写真とか、絵を手軽に載せられる ブログに より
魅力を感じて、これまで、「メルマガ」というものをつくったことが
ありません。

ここに、ご紹介する、毎日読んでいるメルマガ、
実は、著者の方とお会いしたことがあります。

通勤途上でもいいから、読んでもらいたいと、
朝の8時ごろ、送信されていそうです。

。。。。毎日。。。私には、とても真似できません。

(以下、 全文引用)





日付: 2014年8月14日 8:07
件名: No.1344【無常と校門とガン】

おはようございます。菊谷隆太です。



いつも読んでいただき、どうもありがとうございます。

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小中学校の国語の教科書に何を載せるか、ということは

子供の教育にとって大きな影響を与えると感じてます。

私なら萩原朔太郎の『竹』の詩や

中島敦の『山月記』には大きな感銘を受け、

そのほかの著作も読んだものです。

子供の豊かな感受性を育むような作品を

ぜひ教科書に載せてもらいたいところです。



【今日の仏語】は『無常を観ずるは菩提心の一なり』です。

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■人は何かを失う時に初めて、

その有難味を知るといいます。


卒業式の日に通いなれた校門を何度も振り返って、

別れを惜しんだ経験のある人も多いことでしょう。


「あーあ、もう月曜日か。」

とため息ついてくぐった校門がなぜか懐かしく、

愛おしくさえあるものです。


■普段私たちは生きているという事実を

当然と受け流していますし、

「さっさと生きてさっさと死にたい。」

くらいに軽く受け止めています。



しかし、「あと半年の命です。」と

医師に宣告されたガン患者にとっては、

自分が今 生きているという事実が、

「かけがえのないもの」と

痛烈に知らされることでしょう。







満開の桜を見ては、

「この桜が咲き誇る姿も見納めだな。」

と涙するという。



友人と何気ない会話をして

「じゃあまた。」と背中を向けて歩き出すと、

「もう二度と彼と会うことはないんだろうな。」

と涙が出る。



自己の命は有限だったと気付く時、

「この命、何に使うべきか。」

「本当に今のままでお前は後悔ないのか?」

真剣な回答が迫られるのでしょう。



■「俺は死ぬんだ、という驚嘆から哲学は始まる」

と言ったのはアリストテレスです。



死を前にした時、人は

『必ず死ぬのに なぜ生きる』

人生最大の問題と対峙させられるのです。



その苦悩に煩悶した人にのみ、

真の人生が切り開かれることを仏典には、

「無常を感ずるは、菩提心(ぼだいしん)の、一(はじめ)なり」

(死を見つめることはいたずらに暗く沈むことではなく、

 生の瞬間を日輪よりも明るくする第一歩といえよう。)

とあります。



■人の死を見たり、聞いたりしたとき、

私たちは虚をつかれたような驚きを感じます。



それは、ばたばたと忙しくしている

日常の運行が停止するような 厳粛な驚きです。



そんな時に、上記のような哲学的な問いを

自問した人も多いのではないでしょうか。







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8/13/2014

tones That Longed to Be Diamonds


(日本文のあとに英文がつづきます)


■ダイヤモンドになれると思った小石■


自己を磨く 金剛石が一個、川ばたの小石の群れに、まじっていた。 一人の商人が、めざとく発見し、王様に売却した。 王冠を飾った金剛石の輝きは、大衆を魅了してやまなかった。 

小石どもの耳にも、それが入ったので大騒ぎ。 金剛石の幸運が、小石どもにはうらやましくて、たまらなかったのである。 小石どもはある日、そばを通った農夫を呼びとめて哀願した。 「うわさによると、我々と一緒に、ここにころがっていた金剛石のヤツメが、都で、今では大出世しているそうです。アイツも我々も同じ石ですよ。我々だって、都へいけさえすれば、出世するにきまっている。どうか、都へ連れていってください」 ふびんに思って農夫は、小石を荷に入れ、都へ持参した。


 望みどおりに小石らは、あこがれの都へはきたが、むろん、王冠を飾るどころではない。 道路に敷かれて、毎日、多くの車のわだちに苦しめられ、後悔の涙にくれたのである。



 顔をしかめて飛んでゆくフクロウを、連れのハトが呼びとめた。 「おいおい、そんな、うかぬ顔して、どこへいく」 さびしそうに、フクロウが答えた。 「知ってのとおり、この里の者たちは、悪い声のオレを嫌うので、所を変えようと決心したんだよ」 くくと笑って、ハトは、 「それはムダだよ、フクロウさん。いくら所を変えたって、おまえの声を変えないかぎり、いく先の者はやはり、おまえを嫌うだろう。 古巣を捨てる覚悟があれば、声を変える努力を」 と、忠告したという。


 自己を磨くことこそ、出世の要諦。 輝く存在になりさえすれば、人も物も自然に集まる。 己の、たゆまぬ錬磨を忘れて、出赴のみを追い求むることは、かえって失敗の原因となると、知るべきであろう。




Stones That Longed to Be Diamonds

 Polishing Oneself Among the stones along a riverbank lay a single dia- mond. A sharp‐eyed peddler saw it,picked it up, and sold it to the king. The sparkle of the new dia- mond in the king's crown delighted the citizens of the country. The story of the diamond's success reached the other stones, and caused a furor

. They were con- sumed with jealousy. 0ne day they called out to a passing farmer: “A stone that used to be one of us went to the capital and made a name for himself He's nothing but a stone ,the same as us.Surely if we went to the capital ,we could be successful too. Please take us there.” Taking pity on them , the farmer put the stones in his cart and took them along to the capi- tal.Their dream of making it to the capital came true,but the result was far from what they had ex- pected.Naturally, they did not end up in the king's crown.Instead they were made in to cobblestones and suffered under a load of heavy traffic everyday, weeping tears of bitter regret.


 One day, as the owl flew off scowling, his compan- ion the dove called out,"Where are you off to with a face like thunder?” The owl said plaintively, "The people around here don't like my screech, as you know, so I decided to move.” The dove chuckled and said wisely, "That's no use.Move if you want to,but as long as you don't change your screech, the people at the new place aren't going to like you any better than the people here do.lf you’re willing to leave the place where you were born, you should be willing to make the effort to change your voice." 


Polishing oneself is the true secret of success. If you shine people will naturally be drawn to you and you life will improve. lf you chase after success without struggling to better yourself, you only pave the way to failure.















(出典 原文) 新装版 光に向かって 「100の花束」 (出典 英語版) Something You Forget …Along the Way Stories of Wisdom and Learning Kentetsu Takamori Translated by Juliet Winters Carpenter 一 lchimannendo Publishing, Inc. (参考) Juliet Winters Carpenter 翻訳作品 ・阿部公房 「密会」 ・司馬遼太郎 「最後の将軍」 ・俵万智 「サラダ記念日」 など多数