10/16/2020

アンパンマンが教える「なぜ生きる」

 【中日春秋(朝刊コラム)2017年1月9日(月)から】

ある哲学者が四歳の孫と旅に出た。電車内で、哲学者はずっと本を読んでいたそうだ。

相手をしてくれないので退屈した孫は仕方なく歌を口ずさみはじめた。

<なんのために生まれて なにをして生きるのか>

<こたえられないなんて そんなのはいやだ>

▼その歌を聴いたおじいちゃんは「何なんだ、これは」と驚いたそうだ。

四歳の子がなぜ、こんな内容の歌を口にしているのだろうか

▼(中略)テレビ主題歌「アンパンマンのマーチ」。

作詞した「アンパンマン」の作者、やなせたかしさんが、この哲学者から手紙をもらったと書いていた。

▼子どもは屈託なくあの曲を歌えるが、大人はどうもどぎまぎしてしまうか。

<なんのために生まれて>。大人といえども、その明確な答えは分からない。(中略)

▼何のためにかは分からずとも、こんなことをするために生まれてきたわけではないというのは気づきやすい。誰かを傷つける。誰かを困らせる。泣いている誰かに手を貸さない。それは間違っても、生きる目的とは関係がない

▼こんなことはやるまい。そのおびただしきリストを逆の目印にして進めば、<なんのために生まれて>の答えに少しは近づけまいか。(後略)


<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より>

中日新聞(ちゅうにちしんぶん)は、日本の新聞社・中日新聞社が東海地方を中心とする地域で発行する日刊新聞である。(略)

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