9/08/2017

作家・夏目漱石(なつめ・そうせき)が語る「親鸞聖人(しんらん・しょうにん)」



親鸞聖人に初めから 非常な思想が有り、非常な力が有り、 非常な強い根柢(こんてい)の有る思想を持たなければ、あれ程の大改革 (肉食妻帯、にくじき・さいたい) は出来ない。
(『漱石全集』所収「模倣と独立」)
   
※夏目漱石 (小説家) 代表作『坊っちゃん』『こゝろ』など。日本を代表する文豪  
慶応3年~大正5年  



 ここがポイント(肉食と妻帯)
〇 [ 戒律(かいりつ)を守る者 = 僧侶 ]
✖ [戒律を破る者=破戒僧(はかい・そう)、破戒坊主]

~代表的な破戒~
✖ 魚などの肉を食べること(肉食、にくじき)=殺生
✖ 妻をめとること(妻帯、さいたい)=女犯


 一国の仏教をかくも変えた宗教家 

僧侶(そうりょ)の妻帯は、日本仏教の最大の特質といえよう。釈迦(しゃか)の定めた戒律(かいりつ)では、出家は女人(にょにん)との交わりを禁じられ、犯せば教団から追放される重罪だった。中国や韓国、東南アジアの仏教国では、今もそれが常識である。

わが国でも、親鸞聖人(しんらん・しょうにん)までは、坊主(ぼうず)の結婚など論外だった。だが八百年前、親鸞聖人は公然と妻帯された。その破天荒(はてんこう)は、正法(しょうぼう)を破壊する天魔(てんま)、仏教の怨敵(おんてき)と集中砲火を浴びたことは、言をまたない。かくて僧侶の結婚を認める仏教が、親鸞聖人の浄土真宗(じょうどしんしゅう)から始まった。それは室町時代、蓮如上人(れんにょ・しょうにん)の活躍により日本最大の宗派となる。

結局、他の宗派も全て僧職(そうしょく)の婚姻(こんいん)を是認し、住職が子に寺を継がせるのが普通になった。
一国の仏教をかくも変えた宗教家は、世界に例がない。

出典 「親鸞聖人を学ぶ」(はじめに)から(1万年堂出版、2014.12.18)




親鸞聖人(しんらん・しょうにん)の「肉食妻帯(にくじき・さいたい)」の真相
「なぜ、激しい非難を覚悟してまで、公然と結婚されたのか」
~その答え~

(親鸞聖人、90年の全生涯を描いた映画の「シナリオ」から)

聖人、肉食妻帯を決意さる

  (控室の法然上人に、部屋の外から親鸞聖人があい さつをされる)

親鸞聖人 「親鸞でございます」
法然上人 「入りなさい」
親鸞聖人 「失礼いたします」

(部屋に入り、手をついて一礼される)

法然上人 「唐突な話だがな、そなた、結婚する気はないか」
親鸞聖人 「は!?け、結婚?そ、それは……」
法然上人 「今、関白殿が来られてな。そなたをぜひ、娘の婿にと言われるのじゃ」
親鸞聖人 「関白殿が......」
法然上人 「娘御は、玉日といわれる方でなあ」
親鸞聖人 「玉日様、ですか?」  

 (驚いて法然上人をつめられる)

法然上人 「知っているのか」
親鸞聖人 「はい。その……,以前少し、お会いしたことが……」
法然上人 「そうか。知っていたのか。それなら話は早い。どうかな」
親鸞聖人 「はい。あの玉日様ならば……。あ、しかし、お師匠さま。お師匠さまや、門下の皆さんにご迷惑が、かかるのでは……」
法然上人 「わしは構わん。皆のことも案ずることはなかろう。 そなたにその、覚悟さえ、あれば」
親鸞聖人 「ならば……、ならば喜んでお受けします」
法然上人 「よいか、親鸞。弥陀の本願には、出家も在家も差別はないが、天台や真言などの聖道自力(そうどう・じりき)の仏教では、 肉食妻帯(にくじき・さいたい)は固く禁じられているのは、承知の通りじ ゃ。彼らや、そして世間から、どんな非難攻撃の嵐が起きるか分からぬぞ」

親鸞聖人 「はい。それは覚悟しております。すべての人がありのままの姿で救われるのが、真実の仏法であることを分かっていただくご縁になれば、親鸞、決して 厭いは致しません」 

法然上人 「うむ、その覚悟、忘れるでないぞ」
親鸞聖人 「はい」  

(中略)

ナレーター「僧侶が、公然と肉食妻帯する。当時それは、世間でも、また仏教界でも、大問題であった。あえてそれを、親鸞聖人は断行されたのである」  


出典 アニメ映画 「世界の光 親鸞聖人 第2部」シナリオから

※調べたところ、下記で、この場面を含む予告編の動画を見ることができました。
また、上映会の情報も問い合わせられるようです。
http://shinran-anime.com/vol2/




(少し専門的な内容)
さらに深い理解  仏教のイロハに、親鸞聖人の決意の根拠があった

http://facebook-simizu.blogspot.jp/2017/09/blog-post_50.html

(一部抜粋)
仏教を大きく分けると「聖道仏教(しょうどう・ぶっきょう)」と「浄土仏教(じょうど・ぶっきょう)」の二つになる。
「聖道仏教」 は「自力仏教(じりき・ぶっきょう)」ともいわれ、自分の力で難行苦行に励み、この世でさとりを開こうとする教えをいう。天台宗、真言宗、法相宗、華厳宗、禅宗などである。


                                


返信先: @Malalaさん、@UniofOxfordさん


Hi,Marara.I'm Hiroyuki from Japan. Congratulations! I heard you study philosophy at University. Aso learn Japanese philosophy of Shinran !










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