9/13/2014

司馬遼太郎さんについて


本当に欲しい宝物はなんでしょうか




司馬遼太郎さんは、生前、
小説「坂の上の雲」の映像化に 最後まで反対されていました。

戦争が舞台の小説ですから、どう描いたとしても、「戦争賛美」になりかねない、
というのが、その理由だったそうです。
ご遺族も、それを固く守っていました。


先年、NHKが、初めて映像化しました。
奥様か、近い方が、しみじみ仰ったそうです。
「もう主人の知っている(NHKの)皆さんも、だんだんいなくなられるから」
これが、最後の機会、と思われたとの事でした。

司馬さんは、無人島に一冊の本を持っていくとしたら何を持っていくか?」
そう問われて即座に「歎異抄」と答えられました。

■ ■ ■『司馬遼太郎全講演第1巻』より一部抜粋 ■■■
親鸞聖人の話を弟子がまとめた『歎異抄』を買いました。
非常にわかりやすい文章で、読んでみると真実のにおいがするのですね。

人の話でも本を読んでも、空気が漏れているような感じがして、何かうそだなと思うことがあります。
『歎異抄』にはそれがありませんでした。
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■思想と『歎異抄』■■■


政治、経済、科学、医学、文学、芸術、倫理、道徳、法律など、
人生観、人間観、万物の意義などの根底には思想がある。

思想が変われば世界が変わるのだ。
人類の歴史は思想によって創られたものであり、
未来は思想で変わるのである。

日本の思想史における『歎異抄』の位置は極めて大きい。
国宝級の評価は、ただに名文、美文よりも『歎異抄』の放つ深淵な思想についてであろう。
その『歎異抄』の理解に今、波紋が起きているのである。

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どこかで読んだことのある文章です。
世界に誇れる宝物。私たちは気づかないでいるだけなのかもしれません。



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