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(メールマガジンから、一部、編集)
日付: 2014年9月4日 10:59
件名: No.1361【無常と仙崖と告白】
こんにちは。菊谷隆太です。
いつも読んでいただき、どうもありがとうございます。
============
近所に羅漢果ソフトクリームの美味しい店があるのですが、
そこのチケット4枚ある方からいただいて、
最近よく食べています。
羅漢果とは砂糖と違って天然の甘さがあり、
ソフトクリームも一個食べても甘さ控えめであっさりしていて、
すっかりファンになりました。
でもいい年の男が何食べてんだ、と思われるかと
なんか気恥ずかしいんですよね。
【今日の仏語】は『無常』です。
==============
「いつ死んでもいい」
「これで死ねたら本望だ。」
「死んだ方がましだ。」
『死ぬ』
この、人間にとってもっとも重く、厳粛な一大事が
あまりに軽く扱われています。
子供のとき、海水浴をしていて、
沖のほうに泳いでいくと
海の色が青黒くなってきて、
ふとこの底は何百メートルあるのか、
何がこの海面の下で起きているんだろう、と思いを馳せると
急に怖くなって
未知の世界に身体半分預けているのが頼りなく、恐ろしくなって
あわてて砂浜の方に泳ぎ返した思い出があります。
あるいは果てしない宇宙のことを考えていると
圧倒的な時間、空間の前に
怖くなって眠れなくなったこともありました。
わが身が『死ぬ』ということは、
幼いとき、海に感じた、
あるいは宇宙に感じた、
未知にして、圧倒的なところに
身をあずけていくような感覚があります。
しかしやはり死を目の前にしないと
その恐怖の実態は
とてもわかるものではないのだと思います。
こんな話を聞きました。
===========
一休の再来だと騒がれた、
博多聖福寺の禅僧仙崖が臨終を迎えた。
"ぜひ最後のご教訓を"
と弟子達が、紙と筆を捧げてお願いすると、
仙崖、承諾してさらさらと書いた。
どんな尊い辞世が貰えるかと、
固唾をのんで待っていた弟子達は
紙面を見て驚いた。
そこには
"死にともない
死にともない"
とだけ書かれてある。
あれほど大徳と言われた高僧の、
これが辞世とあっては
和尚の徳にキズがつく。
途方にくれた弟子達は、
なんとかせねばと協議の末、
"さき程のお言葉も結構でありますが、いま一つお言葉を……"
と再度お願いすると、
快く受けた仙崖が、
やがてくれた書面を見て一同仰天したという。
先の言葉の上に、
"ほんまに
ほんまに"
とつけ加えられていただけだった。
=========
"死にともない
死にともない"
ほんまに
ほんまに"
すべての人間の、死に直面した、偽りなき告白でしょう。
============
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└──┘
執筆発行:菊谷隆太
http://kikuutan.hatenablog. com/
件名: No.1361【無常と仙崖と告白】
こんにちは。菊谷隆太です。
いつも読んでいただき、どうもありがとうございます。
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近所に羅漢果ソフトクリームの美味しい店があるのですが、
そこのチケット4枚ある方からいただいて、
最近よく食べています。
羅漢果とは砂糖と違って天然の甘さがあり、
ソフトクリームも一個食べても甘さ控えめであっさりしていて、
すっかりファンになりました。
でもいい年の男が何食べてんだ、と思われるかと
なんか気恥ずかしいんですよね。
【今日の仏語】は『無常』です。
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「いつ死んでもいい」
「これで死ねたら本望だ。」
「死んだ方がましだ。」
『死ぬ』
この、人間にとってもっとも重く、厳粛な一大事が
あまりに軽く扱われています。
子供のとき、海水浴をしていて、
沖のほうに泳いでいくと
海の色が青黒くなってきて、
ふとこの底は何百メートルあるのか、
何がこの海面の下で起きているんだろう、と思いを馳せると
急に怖くなって
未知の世界に身体半分預けているのが頼りなく、恐ろしくなって
あわてて砂浜の方に泳ぎ返した思い出があります。
あるいは果てしない宇宙のことを考えていると
圧倒的な時間、空間の前に
怖くなって眠れなくなったこともありました。
わが身が『死ぬ』ということは、
幼いとき、海に感じた、
あるいは宇宙に感じた、
未知にして、圧倒的なところに
身をあずけていくような感覚があります。
しかしやはり死を目の前にしないと
その恐怖の実態は
とてもわかるものではないのだと思います。
こんな話を聞きました。
===========
一休の再来だと騒がれた、
博多聖福寺の禅僧仙崖が臨終を迎えた。
"ぜひ最後のご教訓を"
と弟子達が、紙と筆を捧げてお願いすると、
仙崖、承諾してさらさらと書いた。
どんな尊い辞世が貰えるかと、
固唾をのんで待っていた弟子達は
紙面を見て驚いた。
そこには
"死にともない
死にともない"
とだけ書かれてある。
あれほど大徳と言われた高僧の、
これが辞世とあっては
和尚の徳にキズがつく。
途方にくれた弟子達は、
なんとかせねばと協議の末、
"さき程のお言葉も結構でありますが、いま一つお言葉を……"
と再度お願いすると、
快く受けた仙崖が、
やがてくれた書面を見て一同仰天したという。
先の言葉の上に、
"ほんまに
ほんまに"
とつけ加えられていただけだった。
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"死にともない
死にともない"
ほんまに
ほんまに"
すべての人間の、死に直面した、偽りなき告白でしょう。
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